伝説の手彫り印鑑・はんこ職人・秀碩Web記念館

秀碩記念館

この道一筋65年、印鑑・はんこ職人の軌跡

■最終更新日:2022.08.24「工房にて」写真・記事追加

開館によせて

お立ち寄りいただき、ありがとうございます。
本館は昭和から平成にかけて活躍した、とある印章(印鑑・はんこ)彫刻職人を紹介するものです。

父・秀夫(号・秀碩)が早咲きの桜を愛でつつ静かにこの世を去ってから、早いもので9年の歳月が流れました。
この間、まことにありがたいことに
「秀碩さん独特のあの作風で印鑑を彫って欲しい」
と、全国のお客様から多くのご注文をいただき、 彼に後を託された職人・永田 皐月がそうしたお客様のご期待にお応えしてまいりました。
この場を借りてお客様方に熱く御礼申し上げますとともに、 わが盟友・永田 皐月にも心より感謝する次第です。

このたびようやく長年の念願が叶い、秀碩の工房Webサイトが全面リニューアルの運びとなりました。
それに合わせて、これまで同Web内で混然一体となっておりました
■オンラインショップ
■秀碩の作品と足跡の紹介
この両側面を明確に分離せしめ、さらに後者に新たなコンテンツを加えて、この「秀碩WEB記念館」を開設するに至りました。

思えば平成12年(2000)に秀碩の工房Webサイト制作を思い立った目的は、あくまでも「1人の印鑑・はんこ職人の作品と歩みを紹介する」というものでした。
ところがいざフタを開けてみると、まさに思いがけず全国から数多くの注文をいただき、父子ともどもその対応と製作に忙殺される日々がそれ以降10年以上続きました。

その間、忙しさのあまり、納期や顧客対応のことで何度も父を厳しく叱責し、ときには激しく罵倒したことすら何度かございます。
たとえ未熟であったとはいえ、まったく恥ずべきことで、今さらながら父に申しわけなく思っています。
(そのあたりのことについては、弊社総合案内Webページに詳述しておりますので、ご参照いただけますと幸いに存じます)

それから長い年月を経て、ようやくこのたび、22年前に描いた「父の作品と歩みを紹介する」純粋な場が完成したことに、私自身、少なからず喜びと安堵を覚えています。
特に、世田谷・奥沢や目黒・不動前にあった工房に足をお運びいただきましたお客様には、往時の父・秀碩の姿を懐かしく思い出していただますければ、たいへんありがたく存じます。

また今後、新たなコンテンツが追加され次第、その旨をこのページ上部に記します。

ちなみに、上の写真は平成24年(2012)10月6日に都内某所において、同年12月に開催された、長年の親友・岩本 博幸氏との「印章作品二人展」図録用に、有名なフォトグラファー・善本 喜一郎氏に撮影していただいた、最晩年の父です。
当時は不覚にも気がつきませんでしたが、今こうして改めて見ると、肌のはりや色つやに、心なしか病の影響を感じずにはいられません。

そこでもう1枚、本人お気に入りのベストショットを掲載しておきましょう。
上の写真の10年近く前になりましょうか、こちらも高名な写真家・青山 立行氏に、当時東京・四谷にあった氏のスタジオで撮影していただいたものです。


この写真を見た秀碩はたいそう喜び、

「これで遺影の準備もできた」

そう上機嫌で軽口を叩いておりました。

そして残念なことに、それは10年後に現実のものとなるのでした。

父・秀碩に賜りました生前のご厚誼に、改めて心より厚く御礼申し上げます。
ありがとうございました。

本日はごゆるりとご覧いただきますよう、お願い申し上げます。


  令和4年3月

            館長?学芸員?まさか
                 松﨑 文一

■秀碩の代表作を見る>>